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捨て犬猫と暮らす女性の想い、50匹以上との生活で感じる苦楽とは。

 中国の都市部では今、ペットブームが真っ盛り。犬や猫を飼う人が急増すると同時に、容易にペットを捨てる飼い主も後を絶たず、社会問題となっている。そんな中国で暮らすある女性は、10年以上にわたり、捨て犬や捨て猫を自宅に引き取っては世話をしているという。愛する犬や猫に囲まれた生活は「楽しい」と語る一方で、本音のところでは、いろいろと思うところがあるようだ。

 中国紙温州商報によると、犬や猫との共同生活を送っているこの女性は、浙江省温州市で暮らす陳さん。彼女はすでに60を超える年齢だが、自分の身を粉にして愛する犬や猫を世話する毎日だ。

 陳さんが犬猫と生活するようになったのは、今から10年以上前にさかのぼる。きっかけは陳さんの娘がケガした子犬を拾ってきたことで、以来、助けが必要と思われる野良犬や野良猫を中心に、家に連れ帰っては治療をしたり、世話をしたりするようになった。そして気付けば、陳さんの小さな家で暮らす犬や猫は50匹を超え、中には7~8年間陳さんと暮らしている老犬もいる。犬には“コーヒー豆”や“枝豆”など豆にまつわる名前を、猫には“中国元”や“米ドル”などお金にまつわる名前をそれぞれ付け、自分の本当の子どものようにかわいがっているそうだ。

 陳さんは中国の同世代の人たちと同様、すでに会社勤めの生活からは引退しているが、のんびりと老後を楽しむ生活――とはほど遠く、毎日が実に慌ただしい。隣近所に迷惑をかけないように夜中に起きなければならないことは日常茶飯事。朝は朝で足跡や毛で汚れた部屋の掃除をし、それが終わると食事の準備、午後は犬や猫をお風呂に入れたり、病気やケガの具合をチェックしたり、半身不随の子犬のために常に座布団を交換してあげたりするなど、毎日の“仕事”は数えあげればきりがない。自身の食事すらまともに取れない状況だというのだから、その苦労は並大抵のものではないだろう。身体を壊すことも珍しくないそうだ。

 もちろん、本音では陳さんもこうした生活を変えたいと願っており、自分が高齢であることからも信頼できる人が見つかれば犬や猫を譲りたい気持ちはある。ただ、現状では理想的な飼い主がなかなか現れず、そう簡単にはいかない状況だ。

 陳さん曰く、一度飼い主に捨てられた犬や猫は人間を信用しなくなっており、新しい飼い主がよほど愛情を注がないと再び逃げてしまうケースが多々あるそう。そうして再び路頭に迷うことになると、街で虐待を受けたり、ヘタをすれば捕って食べられたりしてしまう恐れもあるそうだ。

 こうした事情を十分理解している陳さんだけに、愛する“子どもたち”を手放す際には「本当に信頼できる人に」というのが絶対条件であり、それが新しい飼い主を探す上でハードルを高くしている面も否めない。

 ちなみに、陳さんには孫がいるのだが、孫が生まれた当初は預かって面倒を見る予定だった。しかし、自分の生活がそれを許してくれず、「結局、孫の育児はできなかった」と涙を流したとも。犬や猫との生活を楽しんではいるが、複雑な気持ちも抱いているようだ。

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