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第145回「芥川賞・直木賞」候補作決定

 日本文学振興会は4日、第145回芥川賞・直木賞(平成23年度上半期)の候補作を発表した。芥川龍之介賞候補には、今回で3度目のノミネートとなる本谷有希子氏の『ぬるい毒』と、4度目のノミネートとなる山崎ナオコーラ氏の『ニキの屈辱』をはじめ全6作。21歳の現役大学生・水原涼氏のデビュー作『甘露』も選出されており、大型新人の動向も話題を集めそうだ。一方、直木三十五賞候補には50歳で執筆活動をスタートさせ、こちらも4度目のノミネートとなった葉室麟氏の『恋しぐれ』を含む全5作。受賞作を決める選考会は14日、今回も東京・築地「新喜楽」にて行われる。

 芥川賞・直木賞は昭和10年に制定。芥川賞は新聞・雑誌に発表された純文学短編作品、直木賞は新聞・雑誌、単行本で発表された短編および長編の大衆文芸作品を対象に優秀作を選定する。選考委員には芥川賞には宮本輝氏、村上龍氏ら10名、直木賞は浅田次郎氏や伊集院静氏ら9名で選定を行う。

 芥川賞で初ノミネートとなったのは、女流作家・石田千氏の『あめりかむら』と水原氏の2名。水原氏は今年4月に同候補作で『第112回文學界新人賞』を受賞。デビュー作にして芥川賞受賞といえば、過去に石原慎太郎氏(第34回『太陽の季節』)や村上龍氏(第75回『限りなく透明に近いブルー』)など、社会現象を巻き起こし人気作家誕生に直結してきただけに、注目が高まりそうだ。

 このほか、平成12年に「劇団・本谷有希子」を旗揚げし、演劇界での“直木賞”といわれる『岸田國士戯曲賞』を平成21年に受賞している本谷氏や、映画『人のセックスを笑うな』の原作者としても知られる最多ノミネートの山崎氏など、常連組の動向も気になるところ。

 一方、直木賞候補には過去に3度も芥川賞候補として名前が挙がるも受賞には至らなかった実力派・島本理生氏が『アンダスタンド・メイビー』で初ノミネート。また、辻村深月氏の『オーダーメイド殺人クラブ』、3度目のエントリーとなった池井戸潤氏の『下町ロケット』など、ミステリーから企業同士の特許をめぐる奮闘記まで、さまざまなジャンルがノミネートされた。

≪芥川龍之介賞候補作品≫
石田 千「あめりかむら」(新潮二月号)
戌井 昭人「ぴんぞろ」(群像六月号)
円城 塔「これはペンです」(新潮一月号)
水原 涼「甘露」(文學界六月号)
本谷 有希子「ぬるい毒」(新潮三月号)
山崎 ナオコーラ「ニキの屈辱」(文藝夏号)

≪直木三十五賞候補作品≫
池井戸 潤「下町ロケット」(小学館)
島本 理生「アンダスタンド・メイビー」(中央公論新社)
高野 和明「ジェノサイド」(角川書店)
辻村 深月「オーダーメイド殺人クラブ」(集英社)
葉室 麟「恋しぐれ」(文藝春秋)
(※平成二十三年度上半期 作者名・五十音順)
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