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卯年の受難 増える捨てウサギ

卯年を迎え人気の高まるウサギだが、その裏で、飼育放棄で公園や河川敷に捨てられるケースが増加している。背景には「手軽に飼いやすいペット」という誤った認識があるという。愛護団体などでは「“干支ブーム”の陰で、捨てウサギが一層増えるのでは」との懸念が広がっている。

捨てウサギの保護や飼い主探しをしている日本うさぎ愛護協会(東京都)が今年最初の相談を受けたのは、年明け間もない3日。横浜市内の路上で、後ろ足を引きずり歩くウサギが発見された。8日には通報を受け、東京都内北部の公園で生後数カ月とみられる子ウサギを保護。ともに毛色が整い、商業用に繁殖されたウサギとみられる。捨てウサギの大半は野犬に襲われるなどして命を落とすといい、協会事務局では「ウサギ年は始まったばかりなのに」と憤りを隠さない。

 犬猫のように鳴き声に悩むこともなく、集合住宅の世帯を中心に人気が高まっているウサギ。小動物飼育用品メーカー「ジェックス」(大阪府)によると、国内の飼育数は推計92万匹(平成22年)で、干支人気の影響を受け「来年には100万匹に達する見込み」という。

その一方で、飼育放棄されるケースも年々増加。愛護協会では設立当初の平成17年に年間10匹程度だった捨てウサギの保護件数が、21年には約100匹まで増えた。大阪で保護活動に取り組むNPO法人「ラブアンドピース」の阪上義昭代表理事によると、飼育放棄の最も大きな要因は家族のアレルギー。ウサギの体毛は犬や猫に比べて細く、発症しやすいという。また、室内のコードをかみ切ったり畳を掘ったりする習性があり、一定の管理が必要なのにもかかわらず、「『鳴かない、おとなしい』のペットショップのうたい文句が一人歩きしている」(阪上氏)という。

 購入費用は5千円以下と安価なことが多いのに比べ、飼育費用は割高だ。餌の牧草代は月に1万円以上かかることもあり、病気になった際の通院費用は高額だ。愛護協会では「猛暑でも屋外に放置し、ニンジンの皮を食べさせる小学校飼育などを通じ、『気軽に飼える』という誤った認識が広がっている」と指摘。ウサギの寿命は一般に7~10年程度とされ、「一生面倒を見る覚悟と環境を整えてから購入を決めてほしい」と訴える。

 ウサギの飼い方に関する専門サイトを開設するアレス動物病院(富山県)の沖田将人院長は「餌が正しく与えられなければ歯が奇形になり、毎月病院で削る必要が出てくる。今年のブームを受け、2~3年後に捨てウサギの問題が本格化するのではないか」と危惧(きぐ)している。
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