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なぜ韓国・朴大統領の支持率が低迷するのか 浮揚のチャンスは? /辺真一「コリア・レポート」編集長

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の支持率が中国の習近平主席の訪韓効果で若干上昇したものの、それでも依然として50%を割り、45%台だ。韓国ギャラップの調査では7月初旬の時点では過去最低の40%に落ち込んでいた。政権発足(2013年2月)時は71%もあったのに、僅か1年5か月で31%も急落してしまった。

【図表】朴槿恵大統領が反日的な4つの理由

 一時は、朴大統領が沈没船「セウォル号」の遺族及び国民に涙ながらに謝罪したことや、6月初旬の全国地方自治体選挙で大方の予想に反し、善戦し、惨敗を免れたことで求心力を回復し、政権浮揚のきっかけを掴むのではと囁かれたが、「大統領の涙」への同情は一過性で終わってしまった。

幾つもある朴大統領の“失点”
 支持率低迷の原因は幾つもある。一つは、「セウォル号」事故の真相究明が一向に進まないことだ。何よりも、朴大統領が前代未聞にも司法にまで介入し、「セウォル号」の実質オーナーである兪炳彦容疑者を「即刻逮捕せよ」と号令を掛けたにもかかわらず今もって逮捕できないことにある。

 全国に指名手配(5月27日)し、懸賞金が5千万円にまで跳ね上がった73歳の老人を延べ130万人もの警察官を動員し、かつ海外逃亡を阻止するため海軍まで動員しているにもかかわらず逮捕できない無能ぶりへの批判が日増しに高まっていることだ。

 また、6月下旬に韓国最前線部隊で発生した兵士の乱射事件も最高司令官としての朴槿恵大統領の失点となっている。過去にも同様の事件が頻繁に起き、その度に再発防止が叫ばれていたにもかかわらず、今回も5人死亡、7人負傷という不祥事を引き起こしてしまったことだ。特に大量の軍人を動員したにもかかわらず、身柄の拘束に事件発生から48時間もかかってしまったことへの不手際に批判が集中している。

 それと、自ら指名した首相候補者や閣僚が野党や国民の反発にあい、「不適格」の烙印を押され、相次いで辞退ことによる任命責任も問題にされている。

浮揚のカギは7月末の補欠選挙
 支持率が低迷する状況下にあって朴大統領が政権を浮揚できるかどうかは、7月30日に予定されている補欠選挙(全国15議席)にかかっている。

 勝敗の行方は、4議席を確保し、過半数(150議席)を確保することにあるのではなく、3分の2の10議席を取り、安定多数を維持することにある。仮に15議席のうち、野党に8議席を取られるようだと、与党・セヌリ党の執行部が7月14日の党大会で新代表の金武星氏を筆頭に「非朴槿恵派」で固められただけに政府与党の足並みが乱れ、朴大統領の政権運営に悪影響を及ぼしかねない。

苦戦なら対日攻勢が強まる?
 仮に、補欠選挙で苦戦するようだと、次の手は、来月8月15日の解放記念日を機に再び、安部政権の歴史認識を問題にし、日本に対する外交攻勢を強めるほかないだろう。すでにその兆候が表れている。

 谷垣法相ら5人の閣僚らが「みたままつり」に際し、靖国神社にちょうちんを献灯したことについて韓国の外務省は15日、「日本の帝国主義侵略から苦痛を受けた隣国(韓国)と国際社会に正面から挑戦する行為である」と猛反発している。

対日強硬姿勢の堅持こそが、当面朴槿恵政権を支える土台になっているようだ。

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■辺真一(ぴょん・じんいる) 東京生まれ。明治学院大学(英文科)卒業後、新聞記者を経て、フリージャーナリストへ。 1982年 朝鮮半島問題専門誌「コリア・レポート」創刊。 1986年 テレビ、ラジオで評論活動を開始。 1998年 ラジオ短波「アジアニュース」パーソナリティー。 1999年 参議院朝鮮問題調査会の参考人。 2003年 海上保安庁政策アドバイザー。 2003年 沖縄大学客員教授。
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