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倒産寸前だった「LEGO」が世界2位のおもちゃ会社に返り咲いた理由

 少し前に取材のために米国で滞在していたときのことだ。その日は予定がなく、滞在していた友人宅でぼけっと過ごしていた。

【「LEGO マインドストーム EV3」の画像、ほか】

 友人の家には小学生の息子がいた。彼は午後に学校から戻ってくると、テキパキと宿題を終わらせ、すぐにテレビゲームを始める。時間を持て余していた筆者は、彼が遊ぶゲームを眺めていた。

●テレビゲームでも人気のLEGO

 彼がハマっていたゲームは、デンマークに本社を置くLEGOのテレビゲーム『レゴ・マーベル・スーパー・ヒーローズ』だった。LEGOといえばブロックを組み立てるおもちゃというくらいの認識しかなかった筆者は、LEGOにもデジタル化の波が来ているのかと妙に感心したのを覚えている。そんなふうに久しぶりにLEGOの存在を思い出したのだった。

 そして最近、LEGOに関するニュースを目にした。ブロック玩具メーカーの枠を越えた企業として、さまざまな商品を世に送り出すことで同社の業績はかなり順調だという。2013年上半期、LEGOの売り上げは13%増の20億ドル(約2000億円)近くに達する。そして世界第3位の玩具メーカーから第2位に躍り出て、他の玩具メーカーよりも好調の勢いに乗っている。

 そこで少し調べてみると、LEGOはもはやブロックを組み立てるだけのおもちゃではないことが分かる。遊びの範疇(はんちゅう)を越えて、多方面に広がっているのだ。テレビゲームだけをみても、その売れ行きは世界で1億本を超える。LEGOのWebサイトには月間2000万のアクセスがある。

●中国で「教育用LEGO」が爆発的に売れた

 2013年上半期に、LEGOの売り上げが上昇した大きな理由の1つには、中国の存在があった。中国での売り上げは実に70%も伸びた。いつバブルが崩壊してもおかしくないと言われ続けていながらも、中国はいまだに消費市場としての規模が大きい。おもちゃ販売でも現在、世界で2番目に大きな市場だ。

 ちなみにアジア太平洋地域は、2014年には北米地域を抜いて、世界最大のおもちゃ市場になると予測されており、世界のおもちゃメーカーはアジアを制するために力を入れている。

 LEGOが中国で成功したのには「教育版LEGO」の存在が大きい。中国では徹底した暗記など詰め込み型の教育が行われ、そこから自主性や創造性は生まれにくいといわれている。そこに自主性と想像力を付けてくれるLEGOの教育ツールがしっくりハマった。中国では、過去5年でLEGOの教育関連おもちゃの売り上げが倍以上になっている。

 ではその教育ツールとはどんなものか。「教育版LEGO」と言われる「マインドストーム」というおもちゃ教材だ。

 マインドストームは、LEGOと米MIT(マサチューセッツ工科大学)の研究から生まれたロボット教材だ。LEGOによれば「アナログのレゴブロックとコンピュータを内蔵したデジタルのパーツがセットになり、生徒たちの主体的な学びを育成する21世紀型の教育ツール」ということらしい。

 PCにつなげてプログラミングをしながら、LEGOでできたロボットを組み立てていく。1人でもチームでもいろいろと思考を巡らせながら完成を目指す。といっても、プログラムアイコンをドラッグ&ドロップするだけでプログラミングできるなど、10歳の子供でも扱えるように設計されており、子供の自主的な学習能力を育てるのにも役立つ。

 現在、日本を含む世界中で小学校から高校の間で導入が広がり、過去15年で世界60カ国の5万以上の教育現場で導入された。日本でも小中学校はもちろんのこと、東京大学や京都大学、明治大学など6000校で採用されているというのだから、かなりいろいろなところで使われているといえる。

●宇宙飛行士の選抜試験にも使われたマインドストーム

 もちろん、大人が買っても楽しめる。米国では、大人もこぞってこのマインドストームを買っているようだ。

 マインドストームは、開発過程も興味深い。2006年に発売されたロボット教材は、その制作過程を可視化し、熟練のLEGOファンの集団を改良の作業に参加させた。しかもその作業が進むにつれ、LEGOファン集団の数を増やし、最終段階では、100人ほどのファンを参加させて最終的な修正や変更をさせた。熱烈ファンが参加するみんなで取り組む商品開発だ。

 その甲斐あってか、LEGOの教育プログラムは学校などの教育を超えて、企業の研修現場でも広く使われている。日本でも導入している企業は230社を超え、マインドストームを使ったロボコンに参加する企業も多い。LEGOによれば、「(マインドストームで)論理的な思考力や、創造的な課題解決力、プロジェクトマネジメントスキル、日本人が苦手とする表現力やプレゼンテーション力を培うことができます」。

 しかもこの教育プログラムは、宇宙飛行士を選ぶ試験にも使われている。2009年に行われた宇宙飛行士の候補者選抜試験にマインドストームが採用された。グループごとにいくつもの課題や難題を克服しながら最終的にロボットを完成させるというテストだ。この過程を見ることで、チームワークやリーダーシップ、さらに不測の事態が発生した際の対応力などを判断できるという。

●結局、「好き」か「嫌いか」で善し悪しを語れるのは子供だけ

 順風満帆に見えるLEGOだが、実は2004年ころには、いつ破産してもおかしくない状況に追い込まれていた。当時社内では、どのおもちゃを新しく開発して、どのおもちゃをボツにするか、という議論が続けられていた。だが倒産しそうな状態の会社にいる人たちがどれだけ議論をしても、なかなかいい答えが出るはずもない。

 そして結局、正直に「好き、嫌い」といった本音を語ることができるのは「子供と酔っ払い」しかいないという結論に至ったと、後に当時の幹部の1人が語っている。以降、開発するおもちゃを子供のグループに見せながら、改良を重ねて商品を世に送り出してきた。それが、LEGO復活の秘訣(ひけつ)だったともいわれている。

 倒産間近からの復活劇。LEGOに関する著書『Brick by Brick』があるデービッド・ロバートソン氏にいわせれば、その復活のカギはこうだ。「マネジメントの役割が、どんなおもちゃを市場に送り出すか考えることから、徹底的におもちゃを下調べしたか確認することに変わったからだ」

 ちなみに倒産間際までのLEGOでは、新商品の開発部はほとんどがデンマーク人だった。だがこれではグローバルな競争に勝てない、と考えた新就任の部長は外国人を登用。さらに部内にマーケティングチームも発足させたという。

 そこから世界第2位のおもちゃメーカーにまで上り詰めたLEGO。2014年2月には映画の公開も予定しており、これからもその動きは注目だ。

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