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男性用経口避妊薬の開発に一歩前進、マウス研究

男性用の経口避妊薬(ピル)の開発を目指すマウス実験で、オスの生殖機能を一時的に失わせる実験に成功したとする豪モナシュ大学(Monash University)などの共同チームによる研究論文が、3日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に掲載された。

「睾丸に超音波」、新たな避妊法の可能性 米研究

 チームはオスのマウスの遺伝子を組み換え、精子が生殖器の中を移動するために不可欠な平滑筋細胞の中の二つのタンパク質の生成を阻害した。その結果、健康には問題がなく通常の生殖行為を行っても、メスを妊娠させないマウスになった。

 平滑筋細胞の二つのタンパク質の生成を止めることで、精管内から「精子を移動させろ」との指示を平滑筋が受け取らない状態を生じさせた。その結果、オスのマウスの精嚢(せいのう)には精子が蓄えられていたとしても、射精された精液の中に精子が存在しないため、妊娠は起こらない。論文によると、精子の長期的生存やオスの健康にも影響を及ぼさないという。

 これまで男性用避妊薬の開発に関する試みは、ホルモンを対象にしたり、精子の機能を抑えようとしたりするものだった。これらはオスの性行為を妨害しうるだけでなく、長期的で回復不可能な不妊状態を起こす可能性すらあった。対照的に今回の研究は精子形成そのものには影響しないため、長期的な副作用がなく服用を止めれば生殖能力が回復する薬剤の開発が期待できるという。

 豪メルボルン大(University of Melbourne)や英レスター大学(University of Leicester)とともに研究に取り組んだモナシュ大のサバティーノ・ベンチュラ(Sabatino Ventura)氏は、今回の実験で遺伝子操作を用いた過程を化学的に再現することが次のステップだとしており、男性用経口避妊薬の開発は今後10年以内に可能だろうと述べている。

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