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日本メーカーのデザインはいつから格好悪くなったのか

 「日本メーカーのデザインは格好悪くないか」――。この2週間の間に、PCメーカー、テレビメーカー、自動車メーカーの関係者から、異口同音にそんな言葉を聞いた。

 それぞれの製品ジャンルは異なるが、共通しているのは、日本以外のアジアメーカーの製品に対するデザインの評価が高いという点だ。

 PCであれば台湾のアスースやエイサー、中国のレノボ、薄型テレビであれば韓国のLG電子。日本では未発売だが、韓国のサムスン電子の薄型テレビのデザインは、業界関係者の間では以前から評価が高い。そして、アジア勢ではないが、もちろん、米アップルのデザインの高評価は相変わらずだ。

 この裏返しが冒頭の言葉になる。

 確かに店頭に並んでいる日本メーカーの製品は、画一的なものが多い。アジアメーカーの製品に比べて、“クール”なイメージを受けるものは少ない。いつからこうなってしまったのだろうか。

アジア勢の伸びが目立つ洗濯機とテレビ

 今年1月から中国ハイアールグループとして発足したハイアールアクアセールスは、4~6月の国内洗濯機市場において11%のシェアを獲得した。

 もともとは三洋電機の洗濯機および冷蔵庫部門であった同社。目標としていたシェア10%を早くも突破したのだ。さらに、全自動洗濯機では、アクアの15%に、ダブルブランドで展開するハイアールの5%を加えると、ハイアールグループとしては国内で2番目のシェアとなる。さらに小型冷蔵庫のカテゴリーでは、アクアが12%、ハイアールが18%となり国内トップシェアだ。

 ハイアールアクアセールスの中川喜之社長は、「価格面での訴求ではなく、機能、品質、デザインといった付加価値に対する評価が高い。中国メーカーに対するアレルギーがなくなっている」と語る。

 LG電子は、東京・秋葉原のヨドバシカメラマルチメディアAkibaの4階テレビ売り場において、薄型テレビの展示スペースを6月下旬から拡大した。しかも、エスカレータをあがって正面の“一等地”に展示スペースを構えたのだ。

 今年の夏は、オリンピック商戦の真っ直中。世界で唯一オリンピックの言葉を使って薄型テレビのプロモーションができるオリンピックTOP(The Olympic Program)スポンサーのパナソニックを押しのけての一等地確保である。

 「画質が格段に向上していることに加え、狭額縁の美しいデザイン、操作性の良さ、スマートテレビとしてのスムーズな動作などの特徴を持つ。いま一番、薦めやすいテレビ」と、同店の玉虫正輝氏は語る。

 ある国内メーカーのテレビ担当者は、この展示を見て、「我々が数年前にやったことを、そのままやっている。その点が脅威」と漏らす。

 これまでアジアメーカーの戦略は、中小型テレビを中心とした安さの訴求だった。しかし、今回LG電子が行っているのは付加価値の訴求。これまで日本のテレビメーカーが行ってきた訴求方法だ。

 ヨドバシカメラマルチメディアAkibaの一等地は、シャープの「亀山モデル」の浸透や、パナソニックの「3D」、東芝の「超解像度」、ソニーの「ネットワーク対応」といった、日本メーカーのテレビのトレンドをいち早く発信し、その後の広がりに貢献した場所でもある。

 「LG電子の『一等地』への展示は、日本のテレビメーカーは、こういった提案ができないのか、という販売店からの強烈なメッセージとして受け取っている」と、別の国内テレビメーカーの関係者は語る。

PCと携帯電話はアジアメーカーの存在感が高まる

 中国レノボは、国内最大シェアを誇るNECパーソナルコンピュータとのジョイントベンチャーを開始してから、この7月でちょうど1年を経過した。

 NEC レノボ・ジャパングループのロードリック・ラピン会長は、国内における市場シェアが、最初の四半期で26.4%に達し、合弁前の2社合計のシェアを上回ったことに胸を張る。レノボの国内シェアも着実に上昇している。さらに、2012年度のグループ合計での出荷台数は、前年比6%増、年間売上高は11%増と、いずれも増加している。これがラピン会長が「2以上」とする根拠だ。

 レノボでは、法人向けPC市場における納期の問題や、サポート体制の強化といった課題を持っていたが、ジョイントベンチャーによって、NECパーソナルコンピュータの国内インフラを活用することで、こうした課題を解決したことが売り上げ拡大につながっている。

 2011年10月から個人向けPCのサポート窓口業務を、NECパーソナルコンピュータに移管し、顧客満足度の向上を実現。2012年7月30日からは、新たに法人向けのサポート窓口業務もNECパーソナルコンピュータに移管する。さらに、今年秋からは、NECパーソナルコンピュータの米沢事業場で、「ThinkPad」の生産を試験的に開始。これにより、納期短縮化と品質向上を実現できると目論む。今後、量産化についても検討する考えだ。

 アジアのメーカーの日本進出は着実に進んでいる。

 調査会社のBCNによると、2012年6月の薄型テレビの販売台数のうち、アジアメーカーの比率は1.9%となっている。まだ構成比は少ないが、2009年6月には0.1%、2011年6月には0.5%であったことに比較する増加しているのがわかる。

 また、PCでは、ノートPCで24.2%、デスクトップでは22.2%となり、欧米メーカーの10.3%、9.6%を遙かに上回っている(いずれも2012年6月実績)。これは過去4年間に渡り、同様の水準で推移している。

 ここ数年、アジアメーカーの成長が顕著なのは携帯電話市場である。2009年6月には6.8%だったアジアメーカーの比率は、2012年6月には19.9%に達しており、とくにスマートフォンでは22.7%がアジアメーカーだ。

 この分野ではサムスンの躍進が目立つ。

 サムスン電子は、NTTドコモを通じて発売しているGALAXYシリーズが、7月中には日本国内で累計300万台の出荷に達することを明らかにしている。「下期には、日本国内で1日平均1万人のユーザーを増やすことを目指しており、7月に入ってからは、それを達成し続けている」と、事業の広がりに自信をみせる。

 ペン操作が特徴のGALAXY Noteでは、日本独自のアプリケーションを入れるなど、ローカライズにも力を入れている。北海道から沖縄まで全国1000カ所で体験会を開催。膨大なマーケティング費用を投入して、認知度を高める活動を続ける。

 こうした活動は、日本におけるサムスンブランドの浸透に大きな役割を果たす。これらの実績をもとに、2007年に国内市場から撤退した薄型テレビ市場に、いつ再参入するかも気になるところだ。

日本メーカーの巻き返しは

 冒頭の話に戻ろう。

 では、なぜ日本のメーカーのデザインや、製品がアジア勢に劣るようになったのか。

 6月に社長に就任したパナソニックの津賀一宏社長は、次のように指摘する。

 「パナソニックは、デジタル家電市場という、新たなインフラを立ち上げることに取り組み、それをリードする役割を担ってきた。それが重要視されていた2005年までは負けてはいなかった。しかし、それが一段落すると、今度は端末競争になる。そこでは、技術がモノをいうのではなく、デザイン、マーケティングが重要になる。そのフェーズにおいて、パナソニックは、技術やモノづくりに自信を持っていたために、お客様視点の商品を十分に展開できていなかった。これが2006年~2011年であった」

 日本のメーカーが置かれた立場はパナソニックと同じと言えよう。

 液晶パネルやプラズマパネルの大規模な設備投資を先行して行ったシャープ、パナソニック、日立製作所などに加え、Blu-rayとHD DVDによる次世代光ディスクの覇権を争っていたのも、ソニー、パナソニック、東芝といったやはり日本の大手電機メーカーであった。その間、アジア勢はマーケティング戦略を軸にして、着実に地盤を固めていった。

 「パナソニックは、2012年から、ハッと我に返り、デジタル事業に取り組んでいる」と津賀社長は語る。

 我に返った今の状況が、残念ながら、量販店店頭に並ぶ日本の製品の弱さになって表れている。

 アジア勢との差は、まだ致命傷にはなっていないと思いたい。

大河原克行(おおかわら かつゆき)フリーランスジャーナリスト1965年、東京都出身。IT業界の専門紙である「週刊BCN(ビジネスコンピュータニュース)」の編集長を務め、2001年10月からフリーランスジャーナリストとして独立。BCN記者、編集長時代を通じて、約20年にわたって、IT産業を中心に幅広く取材、執筆活動を続ける。現在、ビジネス誌、パソコン誌、Web媒体などで活躍。日経パソコン PCオンラインの「マイクロソフト・ウォッチング」の連載を担当。著書に、「ソニースピリットはよみがえるか」(日経BP社)、「松下電器 変革への挑戦」(宝島社)、「パソコンウォーズ最前線」(オーム社)などがある。近著は「松下からパナソニックへ 世界で戦うブランド戦略」(アスキー新書)。

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