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正義とは何か―コンプガチャ問題

この1カ月間、世間では「コンプガチャ問題」に注目が集まっていました。コンプガチャとは有料の「ガチャ」で集めたカードを組み合わせるとレアカードがもらえるという仕組みですが、消費者庁による「コンプガチャは景品表示法で禁止されている『カード合わせ(2種類以上のカードなどを集めることで景品類を提供する)』に該当する」という正式見解によって、この問題は収束の方向に向かっています。これらの見解を受けて、既にグリーやDeNAもコンプガチャを廃止する方針を打ち出しています。

尚、コンプガチャではなく通常の「ガチャ」はカード合わせには該当しないため、消費者庁は何も言及していませんし、現在もグリーやDeNAからガチャ自体を廃止する方針は打ち出されていません。また、カード合わせとは上記のように「2種類以上のカードを集める」ことなので、例えば「1種類のカードを10枚集めるとレアカードがもらえる」ならば景表法には引っかかりません。いわば「銀のキョロちゃんマークを5枚集めておもちゃの缶詰をもらえる」仕組みです。そう考えると、今回はコンプガチャ自体が「カード合わせ」に該当したから良かったものの、もしコンプガチャが「銀のキョロちゃん」方式だったのであれば、消費者庁はグリーやDeNAを止めることができなかったわけです。

この一連の騒動のなかで僕が物申したいのは「法律で禁止されているものはやらない、禁止されていないことはやる」という各経営者のマインドセットに対してです。もちろん企業として法令順守が重要であることは間違いありません。しかし「法律で禁止されているか否か」という判断軸で物事を考えて判断を下すのは果たして「正しい姿」なのでしょうか?

景品表示法でカード合わせを禁じた理由は、その行為自体に問題があるわけではありません。その理由は、子供の射幸心を必要以上に煽って大金を浪費させるという「悪の結果」を避けるためであって、カード合わせがこのような悪の結果を助長しやすい「原因」となる可能性が高いため、です。そう考えれば、グリーやDeNAの経営者が担っている責任は、法律で禁止されている一部の「原因」を避けることだけではありません。子供に大金を消費させるという「悪の結果」を避けること、これが彼ら経営陣、そして全ての大人に課せられている責任なのです。コンプガチャは廃止するものの通常のガチャは続けて、子供からお金を巻き上げ続けるのはどう考えても「正しく」ありません。

また子供ではなくて大人からならお金を巻き上げて良いのかと言えば、僕はそう思いません。アイドルの総選挙の投票券を買わせるために一人に何百枚ものCDを売る行為はどう考えても「正しく」ないですし、キャバ嬢やホストが客を自分に惚れさせて借金漬けになるまでシャンパンを頼ませ続けるのも「正しく」ありません。もちろん子供と違って責任のある大人である以上、売り手だけでなく買い手にも責任があることは否めません。またそれでいちいち国が「CD販売者は1人の顧客に対して同一種類のCDを複数以上、買わせてはならない」なんて法律を作るべきとも思いません。そんなことにまで国が関与し始めたらおかしな事態に陥ることは間違いありません。僕が言いたいのは、たとえ買い手側に自己責任があろうとも、それぞれの企業が本当に「正しい」ことをしていこうよ、ということです。

「正しい」とは何なのか、僕もロコンドを運営するなかで色々と悩んできました。利益率をギリギリまで下げて、お客様に少しでも安価に製品やサービスを提供する会社が正しい会社かと言えばそうではありません。例えば僕はもう何年も前の話になりますが、結婚の記念に妻からエルメスの時計を買ってもらいました。それは僕がずっと前から欲しかったもので、今でも毎日身に付けています。この時計自体の(エルメスの)利益率は高いと思いますが、僕はたとえこの時計の原価が価格の1/10だと知ったとしても、僕はそれでエルメスに裏切られたとは思いません。「こんな素敵な時計を作ってくれてありがとう」の気持ちは変わることはありません。

また、上記ではキャバクラの例を出しましたが、キャバクラというサービス自体を全面否定するつもりもありません。僕も何度か行ったことがありますが、中には本当に楽しい思いをさせてくれる店もありました。確かに料金自体はお酒を飲んで女性と話すだけにしては高いことは間違いないですが、そのような楽しいお店だった場合、価格に見合った価値があったと思っていますし、その価格を払ったことに後悔することもありません。しかしその「価値」は人それぞれの主観的なものなので、この価値を基準に「正義か悪か」を考えるのは曖昧な判断になりかねません。

では何が対消費者という観点での「正しい」行為と位置付けるべきなのか。僕は現在の結論として、2つの絶対的な条件があると思っています。

1つ目は「消費者が購入を決定する前に、その製品やサービスの内容を正確に知らせること」、経済学的に言えば「情報の非対称性」を企業が率先して無くすことです。必要な情報を隠したり虚偽の情報を伝えたりしてお客様に購入に至らしめるのは「正しく」ありません。しかし製品原価など全ての情報を公開するわけにもいかないと思いますし、それらの必要性は高くありません。要はその製品やサービスを購入してから「こんなこと聞かされていなかった!」と消費者に思わせるような情報の隠ぺいをしないことが「正義の会社」の1つ目の条件なのです。また月額費用制のサービスなどの場合、退会するのを忘れていて全く使用実績の無いユーザーからお金を徴収し続けるような悪質なサービスもこの世の中には多々ありますが、これも「正しく」ありません。毎月、支払いをする前に「○○日までに退会しなければ月額費用が徴収されますよ」との連絡はすべきでしょうし、全く使用実績の無かったユーザーの場合は返金にも応じるのが「正しい」行為ではないでしょうか。

「正義の会社」の2つ目の条件は、買い手に対して正確な情報を包み隠さず伝えた上で「その情報に基づいてお客様が冷静に判断できる」状態の時に販売をするということです。ソーシャルゲームやキャバ嬢に貢ぐ時のように、お客様を「ハマらせて」何かを買わせるのは正義ではありません。また子供や老人など、判断能力が十分でない人に対して販売するなど言語道断です。それでもインターネットや通信販売のように、お客様が冷静かどうか判断できない場合もあるでしょう。そのような場合は、お客様が冷静に判断できる猶予期間を設けた上で、希望者には返品や返金を受け付けるのが「正しい」姿ではないでしょうか。

これは自社の宣伝になってしまいますが、ロコンドが99日間という返品猶予期間を設けて、かつ送料も返品送料も無料としているのはそのためです。ウェブサイトにはなるべく多くの情報を掲載し、情報の非対称性が無くなるように努めているものの、それでも100%の情報をウェブ上で伝えきることは容易ではありません。また、お客様が冷静に判断した上で購入されているのかはウェブ上では判断できません。加えて、靴の場合は午前と午後に試着してもフィット感は変わることもあります。そのため、家の中で色々な時間帯に納得行くまで試着をし、その上で購入して欲しい、というのがロコンドの掲げている想いなのです。

あなたの会社は「正義の会社」ですか?あなたは胸を張って正しいことをしていると言えますか?
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