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出版不況をぶっ飛ばす!? “新型図鑑ブーム”の深層

子供だけでなく大人もハマる新型図鑑が続々!

 出版不況のなか、図鑑の販売が好調だ。出版科学研究所の調査によると、2011年度の図鑑新刊発行部数は163万部で、何と前年比66%も増加。そして2012年度になってもますます活況を呈している。

 この図鑑ブームを牽引しているのが、子供向けの新型図鑑(メッセージ型図鑑)とよばれるもの。そもそもこのブームのきっかけになったのは、2009年に小学館が発行した「くらべる図鑑」。これが爆発的に売れたことで、図鑑には潜在的に大きなマーケットがあることが判明したのだ。「年間3万部売れればヒット」といわれるこの分野で、くらべる図鑑は発行部数累計73万部を記録。これを受けて図鑑の老舗、学研が新型図鑑分野に参入した。

 さらに2010年に小学館が発行した「せいかつの図鑑」も累計27万5000部とヒットした。この図鑑のヒットで自然科学分野だけでなく、生活全般をテーマにした図鑑も売れることが分かり、主婦と生活社など各社が続々と参入して昨年来の活況を呈しているのだ。

 価格は約2000円~3000円と安くはないが、「面白くて役に立つから決して高くない」とハシゴをするように何種類も買い集める人が増えているという。

“当たり前のこと”が学べる、母親目線の「プレNEO」シリーズ

 小学館の「プレNEO」シリーズはこれまでに6冊発行されているが、最新作は今年2月発行の「げんきの図鑑」。昨年2月発行の「ふしぎの図鑑」が累計39万5000部とヒットしたのを受け、初版は13万部で現在も好調に売れているという。

 子供たちの心と体を「げんき」いっぱいにするため、「遊びと運動」「食事」「生活習慣」「予防と手当て」の4つの柱で構成。元気になれる“おまじない”も入っている。「小さな子供を持つ30~40代のお母さんたちは、子供に何か聞かれても自分もよく知らないから教える自信がない。この図鑑は子供たちに身に付けてほしいことを楽しく遊びながら学べるように工夫している」(小学館・プレNEO図鑑編集長・青山明子氏)。うんちの出し方、鼻血の止め方、悪くなった食べ物の見分け方など、心身の健康に関する大切なことをピックアップし、この図鑑を読んで考えよう、自分でやってみようと呼びかけている。

 読者アンケートに寄せられた声では「子どもと一緒に興味深く読んだ」「普段本を欲しがらない小3の娘が『これが欲しい』と言った図鑑。一人で夢中になって読んでいる姿を見て驚いた」「『朝元気に起きられる方法を読んで、その通りにしたら早起きができた』と喜んでいた」「『朝ご飯をつくろう』のページを読んで、子供が料理を作ってくれた」という親からの声だけでなく、「この本でかけっこのコツを学び、体育の時間が楽しくなった」といった子供たちからの声も多いという。実際に体験して成果を得た子供も多かったようだ。

 このシリーズの編集長を務めている青山明子氏が2007年に最初の1冊「きせつの図鑑」を企画したのは、自分の子供の“お受験”を経験したことがきっかけ。試験によく出る四季折々のことが1冊にまとまった図鑑がどこにもないことに気づいたからだ。こうした母親目線で企画・編集しているのが最大の特徴で、同時に私立・国立小学校の受験にも役立つ内容になっている。

 また、幼児教室や幼稚園、小学校など教育現場で働く先生・保育士たちに、今の子供たちができないことは何かを徹底的にリサーチし、内容に取り入れている。土踏まずのない子や低体温の子、偏食や噛まずに飲み込む子、便秘がちで朝うんちをしない子、頭痛持ちの子など、今どきの子供事情は驚くばかりに悪いという。「便利になりすぎて実体験が少ない時代になり、ブクブクうがい、リボン結び、落ち葉掃きなど、昔は誰でも当たり前にできていたことができない子供も多い。そんな時代だからこそ、こうした図鑑が必要なのでしょう」(青山氏)。

“父親目線”で自然科学の不思議・すごさを見せる学研

 動物・昆虫・植物・宇宙などの自然科学系や乗り物分野の強みを生かし、学研教育出版が手がけるのがニューワイド学研の図鑑「i(アイ)」シリーズだ。これまでに「いちばん!の図鑑」「一生の図鑑」「ひみつの図鑑」を発売している。

 「あえてCGを使わず、動物などをすべて写真で見せるのがこのシリーズのこだわり。どちらかというとお父さん受けする、男の子が好きそうなシリーズ」(学研教育出版・図鑑百科編集長・松下 清氏)。2010年12月に最初に出した、生き物や地球のさまざまな一番を紹介する「いちばん! の図鑑」は10万部を突破。2011年6月に出した「一生の図鑑」は、さまざまな動植物の寿命やそのクライマックスを紹介。「こんなすばらしい図鑑は見たことがない、感動した!」といった声が寄せられ、熱烈なファンを生んだという。

 2011年12月に出した「ひみつの図鑑」は10万部を発行。生き物、植物、乗り物、地球・宇宙、建物、生活・身の回り、人間のからだのさまざまな秘密を教える内容。そしてシリーズ最新作が、6月22日に登場した「なぜの図鑑」。子供の素朴な「なぜ?」「どうして?」という疑問に答える図鑑で、幅広いジャンルの不思議を分かりやすく紹介。親子で楽しめて勉強になる一冊だ。

 編集長の松下氏自身、父親の目線でこれらのシリーズを企画・編集してきた。自分の子供が恐竜を好きになったときに恐竜の本を買い与えたら、みるみるうちに子供が恐竜の知識を身に付けていって「うちの子はひょっとしたら天才じゃないか」と思ったとか。子供が知識を身に付けていくのを見ると親としてうれしくなる、そんな購入者の気持ちが実感として分かるという。

 また、「人間は大人も子供も新しいことを知ると快感を覚える動物なのではないか」と松下さんは言う。読者からも「こんなこと初めて知った。とても面白くて、親の私のほうが勉強になった」「図鑑で新しいことを子供が知ってイキイキしている、元気いっぱいになっているのがうれしい」などの声が多いという。このシリーズで読者に一番伝えたいことは、「生き物が持っている生き抜くために必要な能力や知恵をもっと深く伝えたい。例えばユキヒョウはなぜ15mも飛べるのか、なぜそんな能力が身に付いたのか、その本当の意味を知ってほしい。そして自然の仕組みのすごさに気づいてほしい」(松下氏)。

大震災を機に「命の大切さ」をテーマにしたPHP

 2011年3月、自然界の成り立ちや自然現象の仕組みがよく分かる「できかた図鑑」を発行し、新型図鑑分野に参入したのがPHP研究所だ。

 同社はもともと、小・中学校の図書館向けをメインにした自然科学系の図鑑を出版していた実績があり、累計で180万部を突破した「時の迷路」「文明の迷路」などの迷路絵本シリーズも手がけている。参入のきっかけになった理由の一つが学習指導要領の改訂で、今後は理数系教育の充実を図るという方針が盛り込まれたこと。もちろん、小学館の「くらべる図鑑」が大ヒットしたことも大きな刺激になったという。

 「できかた図鑑」は理科の授業が始まる小学3年生から中学3年生を対象にしたもので、同社初の書店売りをメインにした図鑑にも関わらず、発行部数は現在累計で5万部。「山・海・宇宙はどうやってできたのか」「雪・紅葉・赤ちゃんはどうやってできるのか」といった疑問を持ち始める子供たちに、分かりやすくそのプロセスを伝えたい、子供たちの心に芽生える“科学する心”を大切に育てたい、という願いが込められている。

 「最近は『チョウを捕まえたことがない』『日の出を見たことがない』といった子供たちが増えていて、自然体験自体が少なくなっている。この図鑑ではさまざまな自然現象を自分の目で見て観察してみようと呼びかけている」(PHP研究所・児童書出版局次長・櫻井文俊氏)。読者からの声では、「子供に分かりやすく説明することができて、とても役に立った」という親からの声のほか、「学習のとっかかりに使えたのでとても役に立った」という学校の教師からの声も届いているとか。

 そして今年6月に登場したのが第2弾の「いのちの図鑑」だ。これは幼稚園の年長組から小学校3・4年生向けで、ビジュアルを重視。見て楽しんで勉強にもなる“絵本感覚の図鑑”を目指したという。「子供たちを飽きさせないために、あえてテイストの異なる複数のイラストレーターに参加してもらっている」(PHP研究所・児童書出版部・副編集長・山口毅氏)。

 この図鑑の最大の特徴は「いのち」をテーマにしていること。これには昨年の東日本大震災が影響しているという。「あの大震災以降、生と死と向き合うことが多くなった。この図鑑では命の不思議やつながり、生き物たちの食物連鎖、そして命がなくなるとどうなるのか、という死後の世界観にも踏み込んでいる」(山口氏)。作家の柳田邦男氏も「いのちはなぜ大切なのか、このむずかしい問題を目で学べるようにしてくれたはじめての図鑑です」という推薦文を寄せている。

新型図鑑は“雑誌、絵本感覚”で作られている!? 

 ダイナミックに動物の能力を比較するなど、身近なものから宇宙の果てまで比べてみせた「くらべる図鑑」を筆頭に、新型図鑑は子供だけでなく大人にも支持されている。「300メートル走をしたら、優勝するのはどの動物?」といったクイズのネタ元になるなど、テレビのバラエティ番組にまで影響を与えている。もともと子供たちが好きだった図鑑を、より楽しめるものに変えたことでヒットしたこの現象は、斬新な展示方法で大ブレイクした旭山動物園にも似ている。

 従来の図鑑は昆虫、動物、鉄道などジャンルごとにテーマが分かれ、さらにそのジャンルを細かく分類して見せるものだった。ところが新型図鑑は多くのジャンルのものを新しいテーマや切り口で紹介する。「雑誌を作っている感覚」(前出の学研教育出版・松下 清氏)、「絵本感覚で作っている」(前出のPHP研究所・山口 毅氏)というように、作り手も従来の図鑑とは全く別物として作っているようだ。決め手になるのが、読者を飽きさせない工夫やダイナミックなビジュアル表現だという。

 図鑑が一番売れるのはクリスマス需要が高まる12月だが、新学期前の3月や夏休み前の6~7月にもよく売れるという。全国各地の書店ではこれから順次図鑑コーナーを拡大し、夏の児童向け図鑑フェアを開催する。今年もいよいよ“新型図鑑夏の陣”が始まるのだ。

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